yoshisato17470615のブログ

日常に感じたこと、また使ってみて良かった商品の紹介をします。

相続未登記と死亡者課税

不動産の価値が地方を主として下がり続けているのが昨今の状況でありますが、おそらくそれにより派生した問題があります。

それが相続未登記と死亡者課税です。

相続未登記は読んで字の通り相続の登記がなされていないことで、地方では良く見られます。特に農地や山林が多いです。死亡者課税は相続未登記により発生する問題で、死亡した人に対し課税はできません。そうすると法定相続人を納税義務者として賦課し直す必要が出てきます。

固定資産税の担当であるため、年間何件かは処理するのですが、法定相続人が多数に及ぶことも少なくありません。そうなると、納税義務者である法定相続人に手紙を送った際になかなかの反響があります。複雑な案件ではかなり遠い血縁の方の法定相続人として課税することもあります。しばしば怒鳴られることもありますが、致し方ないことですので、割り切って考えるようになりました。課税庁として死亡者課税を把握していないのは確かに問題だと思いますが、なかなか全容を把握することは容易ではなく、また解消するにも相続人特定のための戸籍収集にはかなりの時間を要します。

課税額に対して年税額が些少である場合、調査費用を取り戻すのに何年もかかる可能性すらあります。公務員は最小限のコストで最大の効果を目指すべきであり、余計な出費は削るべきところです。死亡者課税は違法であり、解消すべきではあるのですが、戸籍収集に費やす時間、郵送請求にかかる郵送代などを考えるとどうなんだろうなあと思うこともあります。違法なものをそのままにはできないのできちんと処理はしますが…

相続人が多数の場合、相続放棄をしている人も中にはいるかもしれないので、手紙では相続放棄についても触れています。相続放棄はあくまで相続人個人の判断で行うべきもので、行政側は特に口出しすべきでないと考えますが、よくやるべきか聞かれます。相続放棄をした場合、納税義務者ではなくなることがメリットですが、最終的に遺産分割協議となった時に相続放棄の証明書を提供する必要が出てくるなど関わりを断ち切れるわけでもないので、なんとも言えないところなのかなと思いました。

今後相続未登記の不動産、それに伴い死亡者課税も段々と増加していくことが予想される中、末端の行政職員としては、相続登記の簡略化を望むばかりです。

 

固定資産税評価額と課税標準額

前回書いた課税明細書に記載されている評価額と課税標準額ですが、たぶんあまりご存知ないかと思います。

評価額は路線価を基に画地計算法により算出されます。課税標準額と評価額は原則として同じになるのですが、住宅用地の特例や負担水準により、一致しないことが多いです。

住宅用地の特例は、小規模住宅用地と一般住宅用地に分けられます。

小規模住宅用地は200㎡までの課税標準額を評価額の1/6(都市計画税は1/3)になります。200㎡を超える部分を一般住宅用地といい、固定資産税の課税標準額は1/3、都市計画税課税標準額は2/3になります。ちなみに、住宅一戸につき200㎡なので、アパートなど複数戸あるとそれだけ増えます。ここでいう住宅とは玄関、居間、台所、便所が揃ったものをいいます。世間でいう二世帯住宅は、自治体によるとは思いますが、建物内部で仕切りがないと2戸分と認定されない場合があるので、建てる時は固定資産税担当の職員に確認してみた方がいいかもしれません。

負担水準は、非住宅の宅地で評価額の7割上限、雑種地も同じく7割です。住宅用地の宅地は調整なしです。

負担水準、負担調整は私が生まれたくらいに始まった制度で、固定資産税評価額を地価公示の7割にすると取り決めがされたために始まったものです。当時は地価公示の2〜3割が固定資産税評価額だったそうなので、かなり評価額が急上昇したことになります。ここで、評価額は課税標準額と等しいとすると、税金も急激に増額となるわけなので、それでは納税者の負担が重くなりすぎます。

そこで課税標準額は緩やかに上昇させようということで、負担調整が導入されたわけです。保有コスト的に見ればこの段階で売り払えた人は強運だったのかもしれないですね。

 

課税明細書について

4月ごろに市から送られてくる固定資産税・都市計画税課税明細書について少し書きます。

自治体によって異なりますが、課税明細書は納税通知書の前、もしくは同時に送られてくるものです。所有している物件がどのように課税され、税額がいくらなのか、物件ごとに書かれています。

自治体によって異なると、記事を書く度に注意書き程度に入れていますが、なぜかというと、導入しているシステムが異なるためです。同じ自治体もありますが、結構違います。システムが違えば出力される様式も違いますので、当然差異が出ます。お客さんによっては、自治体はどこも同じだと思われている方もいらっしゃるようですが、自動車メーカーの某T社と某M社が同じではないように、別の組織であるため細部は異なります。

ですので、ここでの課税明細書の説明は全ての自治体のものに適用できるかはわかりません。

課税明細書は、土地だと課税地目(よく聞かれますが登記地目とは異なります)、課税地積、評価額、課税標準額、税額、何らかの特例の有無が表示されています。

課税地目は1月1日時点を基準に利用状況から認定します。住宅を建てると土地に対して住宅用地の特例が適用されるので、税金が安くなりますが、基準日に建物が完成し、課税されていなければいけません。節税目的で家を建てるのはあまり得策ではないのでお勧めしません。

ちなみに、住宅用地の特例ですが、申請をしないと適用されないので、店舗だったものを買って、リフォームして住宅とした場合は、きちんと申告しましょう。裁判を起こしても負けることが多いです。

課税地積は、台帳(登記の)主義ですので、登記地積と同じはずです。異なる時は市が地積更正の入力を漏らしたか、一部公衆用道路で非課税になっているか、あたりが怪しいですね。登記地積ですが、明治期からずっと測量していない場合、現況とかなり異なることがあります。よくあるのは過少申告なので、運が悪いと課税地積が増えます。この前あったものだと、200平米以上増えたものがありましたね、確か。

ちなみに、これもよくある問い合わせですが、測量してみたら地積がだいぶ減ったので、今まで余分に払った税金を還付してもらえないかと言われることがあります。これについては、おそらくどの自治体も対応してくれないと思われます。登記は申請主義なので、所有者が動かなければ変わりません。数多ある土地全ての地積が正しいかチェックしようとすれば、それだけ専門の部署を作っても間に合うかわかりません。ですので、課税地積があまりにも現況と違うと感じたら、一度測量するか、大まかであればメジャーを使っても計算できるので、やってみた方がいいかもしれません。

これまで述べませんでしたが、登記をすると法務局から市に対して、変更内容の通知が出されます。法律上は、変更があってから10日以内に通知となっていますが、努力規定らしく、こちらから法務局に受け取りに出向くことが一般的みたいですね。これが、オンラインで確認できるととてもいいんですけど、どうにかなりませんかね…

 

家の敷地なのに住宅用地の特例が効いていないとか、畑にしているのに課税地目が違うとか、課税明細書の内容に疑問がある場合は、一度市の税務課(固定資産税担当)に電話してみてください。個人情報保護の観点から、電話問い合わせでは回答できない部分もあるかもしれないですが、課税明細書か納税通知書に義務者番号、通知書番号が記載されていると思います。それを伝えると本人確認の代わりとして扱うことも多いですので、電話する前に番号を確認しておくといいかと思います。

毎年航空写真を撮っていれば、現在に近い状況がわかりますが、そこまでの予算がない自治体も多くあるので、場合によっては後日現場を確認してから回答となることもあるかと思います。なにぶん現場次第なので、すぐに答えが出てこなくても怒らないでいただけたらと思います…適当なことは言えないですからね…

窓口での本人確認

証明書の発行を申請する際、どこの自治体でも本人確認をしなければ、証明書を交付することはないですが、よくこの本人確認で揉めることがあります。

しばしばあるのが、運転免許証を忘れてきてしまった場合で、保険証など2点確認できればオーケーなものを1点しか持っていないというものです。

この場合はどうにもできないので、一度お帰りいただく以外無いのですが、急ぎだからなんとかならないかと交渉される方がたまにいらっしゃいます。

急ぎだとしても、こちらとしては本人確認ができなければ、その人が誰であるのかわからないわけですから、交付するわけにはいかないのです。大抵の場合、"お役所仕事だ、こちらの都合も考えて欲しい"とお叱りを受けますが…

顔写真のないものだけ(例えば保険証)をお持ちの場合、変な話ですが、窓口に来た人がどこかで拾得したものを悪用している可能性が捨て切れないわけです。住所氏名生年月日が拾得物からわかれば、証明の申請書に記入する必要がある分は埋めることができるので、顔写真なしで本人確認を行うと、無関係の第三者に証明書を交付してしまう恐れがあります。

それは絶対に避けねばなりませんので、不便を承知で、本人確認に必要な書類が無ければ一度お帰りいただくしかないのです。

 

士業の方々が資格証1枚で本人確認を求めることがあるのですが、国、地方公共団体、公的機関が発行したものでない以上、保険証などと組み合わせて見せていただかないとダメですので、ご理解いただきたいなぁと思います。こちらもしばしばお叱りを受けます…

ご自分の仕事に誇りを持っているのは大変良いことであり、その資格証で本人確認をと思うのはよくわかるのですが…

色々と雁字搦めで融通が利かないところも(ばかり?)ありますが、ご理解いただけたらと思います。

課税地目と評価の方法

自分の仕事のメモみたいなものです。

固定資産税の評価の基準日は1月1日となっていますが、現実にその日に全ての土地を調査するのは不可能なので、事前に調査をしたり、航空写真を併用して確認したりします。

全ての土地を調査する自治体もあるようですが、大抵の自治体は所有権に異動があったものや分合筆のあったもの、農地転用が申請されたり建築確認があった物件を主として調査します。

それ以外にも評価のデータを抽出して過去の評価に誤りのあるものを見つけ出した場合や、納税者からの連絡によっても現場に向かいます。最近のデータチェックでは不要な補正がされており税負担が軽減されているものや、一部は補正を入れるべきところを過去に誤って入力がされていないものもありました。基本的に誤りがあった場合、地方税法に基づき5年に渡り更正することになります。還付か追徴になるわけです。近年還付金詐欺が流行っているようですが、還付金がある場合公印のある更正通知が届くはずなので、そこで気づけるといいですね。

 

タイトルとかなり話がずれました。

課税地目によって、また所在地によって評価の方法は異なるわけですが、大きな違いが生まれるポイントとしては、市街化区域か市街化調整区域のどちらに所在するかということです。

市街化区域は市街化される予定のエリアで、市街化調整区域は市街化を抑制するためのエリアです。建築や開発するのにより厳しい制限が市街化調整区域にはかかっています。

そのため市街化調整区域は市街化区域と比較して一般的に固定資産税は安く済みます。そもそも評価するのに使う路線価が低いので、当然と言えば当然ですが。

市街化区域内の土地は基本的に路線価から評価額が算出されます。それに対し、市街化調整区域の土地は、地目によって評価方法が違います。宅地や雑種地は路線価から評価しますが、農地は耕作条件の類似したエリアで単価が設定され、平米80〜155円くらいで評価します。

使い方は同じ農地でも市街化区域と市街化調整区域では税額が天と地ほどの差があります。なぜかというと、市街化調整区域の農地は農家間での売買は比較的容易にできますが、農家資格を持たない人に売るには農地転用の許可申請を農業委員会を通じて都道府県にしないといけない上に、許可がほぼ出ない場所もあり、不便なのです。まあ農地のど真ん中に家が乱立すると水道や電気などのインフラ整備に困るためという行政の都合もあるのですが。

一方市街化区域の農地は、農地転用は必要ですが、市区町村の農業委員会への届け出で済み、簡単に転用ができます。宅地として自分の家を建てたり、売ってお金にしたりできるので、評価額は宅地並みになっています。若干造成費が控除されていますし、課税標準の特例でだいぶ税負担は減りますが、それでもなかなかの金額になります。土地は持っても売っても相続しても税金がかかるので、なかなか厳しいですね。大変重要な財源なので削られるとおそらく色々なサービスが無くなるとは思いますが、先回も話に出したように土地も場所によっては負債になります。現実の資産価値がないものに対しての課税をもう少し軽減できたりするといいのかなぁと思うこともあります。

 

 

 

固定資産税について

現在税務課に配属されていまして、土地の固定資産税を担当しているのですが、まあなかなかに大変ですね。

課税する側もされる側も色々と苦労があります。

最近担当した案件では、登記名義人が既に亡くなっており、納税通知などの手紙類は登記名義人の子孫が受け取っていたのですが、その子孫が亡くなり、納税通知が返戻されてきたことをきっかけに調査を開始。名義人死亡の場合、法定相続人を調査した上で課税しなければならないのですが、この調査がなかなか時間がかかります。

婚姻や転籍があれば再度請求する必要がありますし、場合によっては火災により戸籍なしの時もあります。今回は相続人が少し多めで50人近く該当する方がいました。

人によっては被相続人が亡くなってから生まれた方もいましたので、何のことかわからないとお電話をいただくこともあります。たしかに自分に同じようなものが届いたら何のこっちゃという状態にはなりそうなので、気持ちはよくわかるのですが…

被相続人死亡時に相続人であった方が更に亡くなる、または被相続人死亡時より前に亡くなっている場合に、数次相続によって、または代襲相続によって法定相続人となりますので、自分が生まれるより前に亡くなった方の法定相続人になりうるわけです。

今回被相続人が所有していた土地は資産価値に乏しいと言わざるを得ないので相続登記をしなかったのかもしれないですが、万が一自分が住んでいる土地だったりすると、将来大変な目にあうと思われるのできちんとした方がよいと思います。このご時世ですし、土地は財産というより負債に近い状況になってきています。時折新聞にも取り上げられますが、名義人死亡後も相続されない所有者不明の土地が増えつつあります。課税当局としては法定相続人を見つけ出して通知しないといけないのでやらざるを得ないのですが、通知すると大概怒られてしまうので少し悲しい思いをします。

相続登記は期限もないですし、罰則規定もないのでやらないのだと思いますが、自分の先祖が名義を変えなかったために降りかかったことですし、そこを怒られてしまうとなかなか辛いですね。まあこちらも亡くなったことを把握していなかったために今までやれなかったことを突然やったわけですから、落ち度がないとは言えませんが_(:3 」∠)_

法定相続人の方々に出した手紙にも書いたのですが、こういった時に納税義務から逃れるには相続放棄をするか遺産分割協議を行い誰かに単独相続させるかくらいしかありません。相続放棄は単独でできますが、遺産分割協議は法定相続人全員で行うものなので幾分か大変です。

うまいこと話が進み誰かに名義が変わることをお祈りしたいと思いますが、一番は現行の地方税法不動産登記法が改正され、不動産が負債となった現代に適応したものになることを願いたいです。

 

投資始めました

公務員も確定拠出年金を利用できるようになりましたね。

今のリタイア世代はまだ大丈夫だとしても、私たちが退職してからも同じとは到底思えませんので、自分で老後資金を貯めていかないといけないなぁとしみじみ感じてます。

というわけで、月々数千円を投資に回し、少しずつ増やしていこうと考えました。確定拠出年金はその手段の一つです。

日本株を数銘柄、投資信託を何本か保有していますが、今のところ利益が出てます。(やったね)

長期保有と短期取引を両方ともしてますが、短期での取引はチャートがまだよく読めていないので、危なっかしい感じが抜けません笑

適度に失敗して勉強していきたいと思います。